協同組合全日本通訳案内士連盟の外14の通訳案内士団体は、「中心市街地活性化計画」に関して、下記の意見書を国土交通大臣に明日提出する予定です。
●PDF文書は、こちらです。
中心市街地活性化計画(通訳案内士法の特例)に関する意見書
平成26年2月25日
国土交通大臣殿
請願代表者 協同組合全日本通訳案内士連盟
理事長 松本美江 外14通訳案内士団体各代表者
趣旨
国際観光の振興を目的として通訳案内業務を考える場合、最も大事なのはお客様である訪日外国人の満足度の高さです。来日中の貴重な時間内で、通訳案内士を依頼するお客様の期待を裏切らないことです。その意味で、通訳案内士は国の知的財産であり、優秀な通訳案内士を持つことは、他の観光先進国同様、歴史や文化を守る国として必須のことであります。
我が国には、約60年にわたって実施されてきた全国を稼働範囲とする国家試験に合格した「通訳案内士」制度があります。既に、16,000人を超える登録者がありながら、受入体制が不十分なため、定例的に活動しているものは、1割もありません。その結果、大半の者が試験合格時よりも、力量を低下させていると言われています。
その後、平成18年度には、都道府県単位の「地域限定通訳案内士」、平成23年には、総合特区通訳案内士制度が導入されました。これらの地域限定型制度については、活動機会がほとんどないといわれています。さらに、今日、すでに通訳案内士が過剰と言われる大都市圏にも適用可能な中心市街地活性化計画に基づく「通訳案内士の特例」を導入しようとしています。
「通訳案内士」が、訪日外国人に有償で語学サービスを提供する以上、通訳を含む語学能力、基本的な日本社会・文化に対する理解が不可欠です。しかし、総合特区通訳案内士や中心市街地活性化計画「通訳案内士」には、通訳などの語学能力が保障されるとは、到底思われません。
質的に全く異なる「通訳案内士」が同一の名称で呼ばれることとなれば、品質を信じて語学サービスを購入する訪日外国人に混乱をもたらし、国全体としてのサービスの低下をもたらしかねません。屋上屋の制度構築に走ることなく、既に過剰と言われる通訳案内士の能力を活用する方策を尽くして、真の観光立国の実現を目指して頂きたいと思います。
請願事項
(1)仕組みやレベルの異なる制度で、同じ“通訳案内士”を名乗らせないでください。
国家試験の合格を条件として、質の保障されている「通訳案内士」と、安易な認定制度のため、レベルの保障されない者に、同じ“通訳案内士”の名称 を名乗らせることは混乱を招きます。
むしろ、その内容を的確に表した「略称規定」の使用を法令で規定すること
参考:新たなガイドの名称案
○○おもてなしガイド / ○○市国際おもてなしガイド / ようこそ○○ガイド /○○外国語アドバイザー / ○○外国語ガイド / ○○街コンシェルジュ
(2)国家試験による通訳案内士が過剰な地域での新たな通訳案内士制度の導入は、やめてください。過剰な地域では、新制度導入ではなく、現存する通訳案内士の有効活用の施策を推進してください。
請願団体名一覧
全国通訳案内士団体15団体(観光庁届け出団体14と他1)
協同組合全日本通訳案内士連盟
ひろしま通訳・ガイド協会
NPO法人九州通訳・ガイド協会
NPO通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会
一般社団法人関西通訳・ガイド協会
中国語通訳案内士会
全日本韓国語通訳案内士会
栃木県通訳案内士協会
富士の国やまなし通訳案内士会
日本文化と歴史探訪会
日本通訳案内士研鑽会
NPO日本文化体験交流塾
やまなし通訳ガイドの会
石川県通訳案内士協会 (以上届け出順)
長野県通訳ガイドネット
計:2,265名