「日本的事象英文説明300選」の日本文データ(その1)
通訳案内士試験の受験者のバイブルと言われている「日本的事象英文説明300選」の日本語データです。
日本語を見て、英語、または、ご自分の受験外国語で、書ける(暗唱できる)ように繰り返し練習してください。
●地理・歴史
日本にははっきりとした四季があり、春と夏の間に雨季がある。日本の気候は、地理的位置や夏・冬の季節風、海流、地勢に影響されている。
梅雨は、6月中旬頃に始まり約1ヶ月続く初夏の雨季である。梅雨による降水は、田植期の農家にとって欠かせないものである。
台風は、初夏から秋に日本をしばしば襲う激しい熱帯性暴風雨である。
古墳は、4世紀から7世紀の間に支配者階級の人たちのために築かれた埋葬用の塚である。古墳の内部には宝飾品や金属製の鏡や埴輪など多くの副葬品が納められている。
縄文文化は狩猟や漁労を基盤とし、藁の縄目の紋様がついた土器が特徴であった。縄文時代は紀元前10000年頃から紀元前300年頃まで続いた。
弥生文化は農耕を基盤とし、素焼きの土器や青銅器や鉄器が特徴であった。弥生時代は紀元前300年から紀元300年まで続いた。
埴輪は、男女や動物、特に馬をかたどった土製の像である。埴輪は、古代の古墳時代に儀式用として作られたもので、死者とともに副葬品として埋葬された。
朝廷は日本の天皇が政治を行った宮廷であった。幕府が権力を握るようになるまでは、朝廷は日本の歴史において重要な地位を保っていた。
将軍は普通、「総司令官」と訳されている。最初は、遠征軍の最高司令官に対して天皇が与える臨時の称号であった。後に、日本の行政府の長に対して天皇から与えられる正式の称号になった。この将軍の制度は19世紀半ばまで続いた。
幕府は、将軍の独裁のもとでの封建時代の政府であった。幕府は絶対統治権を持ち、各地の大名を支配した。
大名とは「封建領主」のことである。封建時代には日本は封建領土に分割されており、それぞれを大名が直接支配していた。だが、日本全土に対する絶対統治権は将軍とその幕府に握られていた。
侍は、もともと、平安時代に都から地方へ派遣された役人の従者であった。後に、侍は武道を専門とする武士になり、ついには政治への影響力を持つようになる者もいた。
武士道とは文字通りには「武士の道」を意味し、封建時代における武士が守るべき規範を指している。この規範には、武士が守るべき道徳の精神や原則が具体的に述べてあった。それは忠義、勇気、名誉を重視した。
1719鎖国は17世紀から19世紀中頃までの日本の隔離政策であった。その政策は、ヨーロッパ諸国に対する日本の安全を目的に江戸幕府に採用され、また、地方の大名が対外貿易に携わる能力を奪うことで、彼らに対する統制を確実なものにした。
踏絵はキリストや聖母マリアの像を描いた平板であった。キリシタンと疑われた者は、自らがキリシタンではないことを証明するため、この平板を踏むように命じられた。踏絵の風習は、江戸時代に、キリスト教を根絶する目的で、隠れキリシタンを見つけ出すために行われた。
寺子屋は、江戸時代に庶民の子供の間で親しまれていた学校であった。学習内容は、漢字の読み書きの他、商業が盛んな地域では算盤の練習からなっていた。
浪人はもともと主君を持たずに放浪する侍、すなわち武士のことであった。今日では、大学入試に落ちて、翌年の再受験のために準備をしている学生を意味する言葉としても使われている。
君が代は日本の国歌である。その歌詞は古今和歌集から取ってあり、曲は、明治時代初期に、ある宮廷音楽家がドイツの音楽家の助力を得て作曲したものであった。君が代は儀式において演奏されたり歌われたりする。
●観光
新幹線は、「弾丸列車」の愛称を持つ超特急列車である。開業は東京オリンピックの年である1964年で、現在では、東京から、南の九州と本州北部へ幹線が伸びている。
旅館は日本の伝統的な宿で、内部は伝統的な和風の設計がなされている。宿泊料金には朝食と夕食が含まれているのが普通である。
民宿は宿泊施設を提供する民家である。民宿は基本的に小規模の宿で、保健所からそのようなものとして認可を受けている。
「ホテル」はサービスを最低限に抑えた洋式のホテルであり、主に出張客を相手とするものだが、出張客だけというわけではない。ホテルは都市部に多く、比較的安い。
「ペンション」は料金が手頃なヨーロッパ大陸式の宿である。個人経営されており、家庭的な雰囲気や家庭を提供する。ペンションは、山中や湖畔のリゾート地に多い。
「カプセルホテル」は最小限の宿泊施設を提供する。部屋というよりむしろ単なるカプセルからなり、普通のホテルよりもかなり安価である。カプセルホテルの主な客は、仕事が忙しすぎて帰宅できなかったり、最終電車に乗り遅れたサラリーマンである。
芸者は着物姿の女性の芸人で、伝統芸能や歌、舞踊、会話の訓練を受けた、宴会のコンパニオンやホステスの役を務める人たちである。
日光は人気のある地で、徳川幕府の初代将軍である徳川家康を祀る精巧に建造された東照宮が特徴である。日光は自然と人工の美の調和があまりにもすばらしいため、「日光を見ずして結構と言うなかれ」という有名な諺がある。
箱根は、数多くの温泉地、美しい景色、快適な気候のお陰で、一年を通じて客が絶えない地である。東京からの交通の便のよさ、富士山の眺望、地域の豊富な施設がその魅力をさらに増している。
高さ3776メートルの富士山は日本で最も高い山である。富士山は活火山に分類されているが、最後に噴火したのは約300年前である。ほぼ完璧な円錐形をした富士山は、その美しさで世界に知られており、日本の象徴である。
熱海は日本でも最大規模の温泉地である。熱海には500を超すホテルや旅館がある。熱海は、東京から南西へ約100キロの地に位置している。
鎌倉は東京から南西へ約50キロの地に位置している。鎌倉は12世紀末から14世紀初頭まで、封建時代の軍政府である幕府の所在地であった。鎌倉には史跡や文化的遺跡が多く、京都や奈良と並んで、世界中から客が訪れる。
広島は本州にあって、大阪から340キロほど西に位置している。広島は戦争で初めて原爆が使われた地として知られている。爆心地にある平和記念公園内には記念塔や資料館や原爆ドームがある。戦後、広島は日本の大都市の一つへと発展した。
青函トンネルは本州と北方の島である北海道を結んでいる。青函トンネルは世界最長クラスの海底トンネルである。
京都はかつて日本の首都であり、1000年以上にわたって朝廷が置かれた地であった。本州中央に位置する京都には、史跡や歴史的遺産が数多くある。京都を訪れる客は毎年数千万人にのぼる。
奈良は日本の古都の一つであった。奈良には、奈良公園や大仏がある東大寺をはじめ、数多くの史跡がある。今でも奈良には落ち着いた伝統的な雰囲気が漂っている。
阿蘇山は、南方の島、九州に位置する火山である。その中央では5つの峰が火山の中心となっており、今でも火山活動が続いている。阿蘇山には世界最大のカルデラがある。阿蘇山は国立公園内に位置しており、人気の高い地である。
松島は日本三景の一つとされている。松島は、「松の島」を意味し、松に覆われた数多くの小さな島々で有名である。島々と海がよく調和して、どんな季節や天候においても、息を呑むほどすばらしい景観を見せてくれる。
天橋立は日本三景の一つとされている。天橋立は「天の橋」を意味し、松の木が並ぶ長い砂州である。天の橋を見るためには、その景色に背を向けてかがみ、脚の間から眺めるとよい。
宮島は日本三景の一つとされている。宮島は「神社のある島」を意味し、長い支柱で海の上に張り出している荘厳華麗な厳島神社で有名である。厳島神社にある朱色の大鳥居は、それが作り出す海の上に浮いているように見える印象で有名である。
岡山にある後楽園は日本三名園の一つである。後楽園は江戸時代に岡山の大名が造ったもので、園内には茶室や池や滝などがある。
金沢にある兼六園は日本三名園の一つである。兼六園は金沢の大名が屋敷の敷地内に造ったもので、園内にある3つの築山と2つの池はよく知られており、また、そのうちの一方の池の端に立っている石灯籠も有名である。
水戸にある偕楽園は日本三名園の一つである。偕楽園は水戸の大名が隠居場として造ったもので、梅の花が満開になる2月20日から3月31日にかけてこの庭園で行われる梅祭りが特に有名である。
●料理
天ぷらは衣をつけて油で揚げた魚介類や野菜で、特製のつゆを添えて出される。
緑茶は、仏僧によって中国から薬あるいは強壮剤としてもたらされたものである。緑茶は、日本で最もよく飲まれている飲料の一つである。
抹茶は茶の一種で、緑茶葉の粉末にお湯を注ぎ、竹製の茶筅ですばやく泡立てることによってたてられる。抹茶は、茶会で客に出される。
すきやきは、薄切りの牛肉、タマネギ、豆腐、椎茸を食卓に置いた鍋で煮たである。味付けには、砂糖、醤油、酒が加えられる。
にぎり鮨は、小さな俵型のご飯に生魚の切り身を乗せた、寿司の一種である。にぎり鮨は醤油につけて食べられる。
海苔巻は、真中に普通は卵、野菜、あるいは干瓢が入った酢飯を一枚の海苔で巻いたものである。海苔巻は一口サイズで出される。
回転寿司は、文字通りには「巡回する寿司」を意味する。カウンターを取り囲むコンベアの上に、皿に盛った寿司が乗せられ、客は皿が回ってくると欲しいものを選ぶ。回転寿司の値段は、普通の寿司屋の値段よりも一般的には安い。
刺身は生魚を薄く切り身にしたものである。普通は醤油とワサビを一緒に出される。人気のある魚には、マグロ、ハマチ、イカがある。
酢の物は酢漬けの野菜や魚介類で作った和風サラダの一種である。酢の物は普通、少量の美しく盛り付けられたものが出される。
しゃぶしゃぶは、薄切りの牛肉と野菜を鍋で煮たである。具はだし汁で素早く煮て、特製のたれをつけてから食べる。
お節は正月用の特別である。魚、黒豆、昆布巻、野菜などの様々な材料が調理され、漆塗りの重箱に美しく盛り付けられる。
伝統的には、懐石は茶会の前に出されるである。材料は新鮮かつ旬のもので、飾り付けはせずに、丁寧に調理される。今日では、懐石は専門店で食べることができる。懐石は日本の高級の一種で、値段は普通はとても高い。
焼鳥はとり肉を焼いたものである。とり肉と野菜のぶつ切りを竹串に刺し、炭火で焼いて、甘い醤油だれにつけられる。
おでんは、豆腐、卵、大根、さつま揚げ、じゃがいもなどの様々な材料を、味をつけた魚のだしが入った大鍋で一緒に煮込んだである。からしが薬味として出される。
かば焼は、醤油、砂糖、酒を混ぜたたれをつけて炭火で焼いたウナギである。かば焼きは普通、熱いご飯に乗せて出される。
茶わん蒸しは、茶わんに入れて蒸したとり肉、海老、野菜が入った卵のカスタードである。飾り付けとして三つ葉を上に乗せることが多い。
味噌は発酵させた練り大豆である。味噌は、みそ汁などの様々なに用いられる。
みそ汁は、日本食と共に出される味噌のスープである。味噌の他に、みそ汁の一般的な材料は、わかめ、豆腐、ねぎである。
うどんは小麦粉から作られる白い麺で、普通、熱いつゆに入れて食べられる。
そばは、そば粉から作られる茶色の麺である。そばの麺は、熱いつゆに入れて食べる事ができ、または特製のつゆにつけて冷たくして食べることもできる。
そうめんは、小麦粉から作られる極細の白い麺で、冷水が入った大きなガラス製の容器に、キュウリ、その他の野菜の薄切りと一緒に入れて出されるのが普通である。そうめんは、特製のつゆにつけて食べられる。
石焼きいもは、熱した小石の中で焼いたさつまいもである。売り手はそのようなオーブンを備えた屋台で販売し、客寄せのために「いーしやーきいもー」と呼び掛ける。
酒は米から作られる醸造酒である。酒は独特の香りを持ち、熱くして、あるいは冷たいまま出す事ができる。酒のアルコール度数は15パーセントから20パーセントである。
焼酎は蒸留酒で、普通、米やさつまいもから作られる。地元特有の焼酎が多種あり、通常の日本酒よりも安いのが普通である。
とそは香草で味をつけた甘い酒である。とそは元日に出され、とそには、邪気を追い払い、一年の健康を促進する力があると信じられている。
雑煮は、正月に出される、もち、かまぼこの薄切り、野菜を入れたスープである。
もちは粘り気のある特殊な米から作られるものである。もちは昔から、焼いたりつゆに入れたりして正月に食べられている。
汁粉は餅や団子が入った甘い練り小豆のスープである。汁粉がより美味しくなるように、塩辛い漬け物が一緒に出されることが多い。
精進は仏僧のための野菜である。殺生を禁止する仏教の教えに従って、精進には魚や肉が一切用いられていない。
ちゃんこ鍋は力士のとしてよく知られている。肉、魚、野菜などの様々な材料が食卓に置かれた大鍋で煮られる。
お茶漬は、大きめの茶わんにご飯をいれて、お湯やお茶をかけたものである。お茶漬の上には、普通、焼いた塩鮭、たらこ、海苔、漬け物が乗せてある。少量のワサビが加えられることもある。
漬物は和風のピクルスである。漬物は、野菜を、塩、米ぬか、味噌、あるいは酒粕で漬けたものである。漬物は、普通は他のに添えて出される。
赤飯は、文字通りには「赤いご飯」を意味する。赤飯はもち米と小豆を一緒に蒸したものである。赤は喜びの色とされていることから、赤飯は祭や誕生日などのめでたい時に作られる。
丼物は大きな深底のどんぶりで出すである。どんぶりに入れたご飯の上に、てんぷら、ウナギのかば焼、卵、あるいはとり肉が乗せてある。
牛丼は、醤油味で一緒に煮込んだ薄切りの牛肉とタマネギが乗ったどんぶりのご飯である。
幕の内弁当は箱詰めの昼食である。幕の内弁当には、普通、黒ごまをふった小さなおにぎりと一緒に、焼き魚、卵焼き、野菜、漬物を取り合わせたものが入っている。
雑炊はご飯と野菜のかゆの一種である。ご飯を醤油で味付けした汁で煮込み、三つ葉、卵、あるいは魚介類を混ぜて作られる。
佃煮は、魚、貝、野菜、海藻などの材料を砂糖と醤油で煮て作られる保存食品である。
こんにゃくは、こんにゃく芋と言われるサトイモの一種からとれるでんぷんで作ったゼラチン状の食べ物である。こんにゃくは、長方形か麺状かのどちらかであり、おでんなどの鍋の材料として使われることが多い。
かつお節は紙のように薄いフレーク状の干鰹である。かつお節は、他の食べ物の味付けや和風スープのだしに使われる。
竹輪は、竹の形にした、魚のすり身を焼いたものである。竹輪はおでんの材料として使われることが多い。
かまぼこは魚のすり身を蒸したものである。かまぼこは、半筒形をしており、板切れの上に置かれている。赤と白の色の組み合わせはめでたさの象徴とされていることから、かまぼこの表面は、祝儀用に赤く色付けしてあることが多い。
納豆は蒸して発酵させた大豆である。納豆は食べる時、醤油、からし、みじん切りにしたねぎと混ぜられる。
お好み焼きは、普通は、鉄板の上で焼かれる和風のパンケーキである。お好み焼きは、肉、魚介類、卵、キャベツの千切りを混ぜたこね粉から作られる。
たこやきは、たこ入りの焼いた団子である。材料には、こね粉、たこ、長ねぎが含まれる。たこやきは路上の屋台で売られ、鉄板で焼いたものにかつお節と濃いソースをかけて出される。
まんじゅうは、甘くした練り小豆を詰めた、丸い形をしたパンのようなものである。まんじゅうの皮は、小麦粉から作るのが一般的だが、米粉やそば粉を混ぜたものを用いることもある。
ようかんは甘い練り小豆をゼリー状にしたものである。ようかんは、普通は細長い長方形にかたどってあり、食べる前に薄切りにされる。
おはぎはもち米でできた俵型のお菓子であり、甘い練り小豆でくるまれている。
せんべいは、米粉や小麦粉から作られる、砂糖や塩で味付けしたクラッカーである。
立ち食いそばは日本式のファーストフードの屋台で、電車の駅構内やその周辺で、そばやうどんを客に出す。客は立ったまま食べる。
屋台は夜に表通りから離れた所に設けられる売店や売台である。屋台は、ラーメン、おでん、焼き鳥などの専門のを、飲み物と一緒に客に出す。
「ファミリーレストラン」は多様な好みや幅広い年齢層に合うを出し、洋食、中華、和食を手頃な値段で提供する。
居酒屋は、比較的安い値段で様々な種類の食べ物や飲み物を出す日本式の酒場である。居酒屋は主として会社員や若者に人気がある。
割箸は、使用前に割ることができるようにあらかじめ切れ目が入っている使い捨ての木の箸である。割箸は普通、食堂で出される。
おしぼりは、レストランや喫茶店で出される手ふきタオルである。おしぼりは、食事をする前に手をふくのに使われる。
●伝統演劇・音楽
落語は、普通、プロの語り手によって演芸場やテレビなどで語られる滑稽な話である。主題は、普通、江戸時代の日常生活からの滑稽な出来事である。
尺八は竹製のフルートのようなもので、一般に、5つの指孔がある。尺八は、普通、伝統的な歌の伴奏として演奏される。
歌舞伎は、男性だけによって歌や音楽に合わせて演じられる伝統的な舞台劇である。歌舞伎は、リズミカルな台詞、踊り、凝った衣装、舞台装置の組み合わせが特徴である。
能は、謡曲と呼ばれる語り唄、ならびに、笛と3種の太鼓からなる囃子方に合わせて、ほとんど男性だけによって演じられる古典舞台芸術である。能は、象徴的かつ高度に様式化された演技と精巧な面が特徴である。
狂言は、日々の生活のありさまを反映させた、伝統的な喜劇や道化芝居である。狂言は、幕間劇として能の演目と演目の間に上演される他に、独立した演劇としても上演される。
文楽は、浄瑠璃として知られる、音楽を伴う語り唄に合わせて演じられる古典人形劇である。文楽の魅力は、熟達した人形遣いと浄瑠璃語りの唄声のハーモニーにある。
浄瑠璃は、伝統的な語り唄で、元々は琵琶によって伴奏されていたが、その後三味線によって伴奏されるようになった。今日では、浄瑠璃という言葉は普通は人形劇である文楽の音楽を指す。
雅楽は、宮廷における古代の儀式で演じられた舞踊と音楽の一ジャンルである。舞楽という用語は舞踏を指し、他方、管弦は、管楽器、弦楽器、打楽器の合奏によりなされる音楽を指す。
花道は文字通りには「花の通路」であるが、歌舞伎の劇場で舞台から観客席を貫いて伸びている高くした壇のことである。花道は実際には舞台の延長であり、役者はその上で観客と間近に触れあうことができる。
黒衣は、歌舞伎の舞台助手のことであり、自分の姿が目立たないように黒の衣と頭巾をまとっている。
漫才は、滑稽なおきまりの演芸である。漫才は、普通、テレビのバラエティーショーなどで2人、あるいは3人の芸人によって演じられるもので、本質的にドタバタ調になりがちである。
三味線は、バンジョーに似た3弦の楽器である。三味線は沖縄からもたらされたもので、伝統的な唄だけでなく、文楽、歌舞伎の伴奏としても演奏されている。
琴は、チターに似ていた13弦の楽器である。琴は、普通、女性によって演奏される。
琵琶は、リュートに似た4弦または5弦の楽器である。琵琶は、主に、伝統的な語り唄のための伴奏として用いられる。日本最大の湖は琵琶湖と呼ばれているが、それはその形が琵琶の輪郭に似ているからである。
演歌は、恋愛、失恋、別離、故郷などについての感傷的なバラードが特徴である音楽の一種である。米国のカントリー・ミュージックと同じように、演歌には独特の節回しと歌い方がある。演歌は、年輩層に特に人気がある。
●美術・工芸
生け花は、花を生けるための日本の伝統技法である。生け花は、その発達の初期段階では、茶室を飾るための特殊技法として用いられ、茶の湯と深く結びついていた。
茶の湯は、特製の抹茶を出す技法や作法である。茶の湯は、禅宗の僧院で始められたものだが、今日では、心の落ち着きや上品な礼儀作法を磨くための芸術的修練の一形態とみなされている。
書道は、文字を書く日本式の技法である。墨の濃淡、運筆、字画の組み合わせに特に重きが置かれる。書道は精神修養のために行われている。
書き初めは、1月2日に行われ、新年最初の文字を書くことを祝うものある。今日行われているやり方では、書き初めをする人が、その年にとって最も縁起が良い方角であるとして選ばれた方を向いて座り、めでたい文字や言葉を書くのである。
すずりは、書道や絵画用の墨汁を作るために、水を加えてから墨でこすられる墨汁用の石である。
水墨画は、墨汁を用いた絵画の一様式である。自然の風景、動物、鳥、花がその典型的な題材である。水墨画は禅僧の間で始まり、次第に専門の画家の手によって行われるようになった。
浮世絵は、江戸時代に発達した木版画の一様式である。浮世絵には、日本の風景、庶民の日常生活、歌舞伎役者、力士、美人が描かれている。
菊人形は、色とりどりの菊の花と菊の葉で作られた等身大の人形である。菊人形は、普通、封建時代における歴史上の人物を表している。
磁器は、白い半透明の生地にうわ薬を塗った焼き物である。磁器の有名なものは、伊万里、清水、瀬戸である。
陶器は、不透明の生地を持つうわ薬を塗った焼き物である。陶器の有名なものは、萩、織部、益子である。
漆器は漆を塗ったものである。日本では、ほとんどの椀、及び、一部の箸は漆で塗られている。漆器の有名なものは、輪島塗、会津塗、津軽塗である。
七宝焼は、元来中国から伝わったのであるが、七宝細工を施した種類の陶磁器である。エナメルによって、皿や花瓶は、表面が多色に宝石のようになる。
西陣織は、京都の西陣地区で産出される絹織物や錦織の名称である。ここで作られる織物は、着物の帯、テーブルクロス、ネクタイなどのような製品に使用されている。
友禅は、絹織物を様々な紋様や色に染める、京都の特殊な技法のことである。友禅染のスカーフ、ハンカチ、着物は人気がある。友禅染の工程は、17世紀末の絵師であった宮崎友禅によって考案されたと言われている。
十二支は、中国版の十二宮にある12の宮のことである。年毎に訪れる順番ではそれらの宮は、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)となる。
重要文化財は重要な文化的資産のことである。重要文化財は、文部科学大臣からそういうものとして指定されたものであり、その中でも最も重要なものは、国宝に指定されている。
有形文化財は有形の文化的資産のことである。有形文化財は、文部科学大臣からそういうものとして指定されたものであり、絵画、彫刻、建築物などがその中に入る。
無形文化財は無形の文化的資産のことである。無形文化財は、文部科学大臣からそういうものとして指定されたものであり、演劇、音楽、工芸技術などがその中に入る。
日本庭園は、岩、樹木、池、その他の自然物からなる風景式庭園を指す。この種の庭は、自然の景観を模して設計してある。
枯山水は、主に岩と砂から構成される、水を用いない風景式庭園である。岩は山や島を表わし、砂は水を表す。
借景、すなわち「借りた風景」は、外部や周辺にある風景を庭園の構成の中に取り込んだものである。
石灯籠は石でできた灯籠である。石灯籠は、普通、神社やお寺の境内にあったり、風景式庭園の一部として置いてあるのが見られる。
盆栽は、鉢に植えた樹木で、特別に美しい形を造り出すために、剪定や針金かけのような手法によって、小さくし、その姿を整えたものである。
俳句は、17の音節を575の行構成で並べた、極めて簡潔ながらも読む人の想像をかき立てるような韻文形式である。俳句の主題は、自然や人生に対する直観的認識によって生み出されることがある。
和歌は、日本の古典的な韻文形式の一般名称である。和歌は、その中でも特に、31の音節を57577の構成で5行に並べた韻文形式である短歌を指している。
風呂敷は、包装用の布で、装飾紋様が描いてあるものが多い。使わない時には、小さく折り畳んでしまっておくことができる。
扇子は、竹骨に紙を貼って作った折り畳み式のうちわであり、表面には普通、装飾絵画や装飾紋様、筆書きの装飾文字などが描いてある。
うちわは、木製またはプラスチック製の取っ手が付いた、丸くて平たい紙製の扇である。うちわは、普通、自分を扇いで涼を取ったり、火を扇いだりするのに用いられる。
こけしは、円筒状の胴体と球形の頭部からなる、簡単な造りの木製の人形である。こけしには手足がついていない。
招き猫は、通行人に手招きをしているネコの像である。招き猫の像は、レストランや店に置いてあることが多く、客を引き付けるお守りとして飾ってある。
折紙は、鳥、動物、花などの様々な形に紙を折る日本の伝統的技法である。それらは、四角い色紙を使って、ハサミや糊を使用せずに作られる。
千羽鶴は、紙で作った千羽の鶴を数珠つなぎにしたものである。千羽鶴は、普通、病気や怪我をした人に、その回復を祈願するものとして贈られる。鶴は幸福と長寿の象徴である。
のしは、干しアワビを細長く切ったものを赤と白の紙に包んだもので、贈り主の敬意を表するため、贈り物の装飾としてに使用される。今日では、アワビを象徴する細長い紙切れが普通は代用される。
根付は、木材や象牙を彫刻した、小さな、トグルに似た物である。元来、根付は、印篭や小物入れや財布を着物の帯に固定するのに使われていた。根付は、普通、4センチ程度の大きさで、人、動物、日常品などの題材を表現する手の込んだ彫刻が施してある。
判子は、西洋における署名と同じ法的効力を持つ、個人用の印鑑である。判子は、普通、木材、石材、あるいは象牙から作られ、姓が刻み込んである。
●スポーツ・娯楽
柔道は武器を用いない護身術の一形態として発達したが、現在では人気の高いスポーツとなっている。柔道の主な理念は、対戦相手の力が、対戦相手に不利に働くようにするためバランスと間を巧みに操ることである。
合気道は武器を使わない護身術の一形態である。向かってくる相手の力と体重が相手に不利に働くようにするため、様々な押さえ技と円を描くような動きが用いられる。
空手は、中国で起こり沖縄で発達した、武器を使わない護身術の一形態である。空手は、手足を使って繰り出される鋭く素早い打撃が特徴である。
剣道は剣術という日本の武道で、フェンシングに少し似ている。竹刀と呼ばれる竹製の剣で、対戦相手の額、手首、胴を打ったり、咽を突いたりするとポイントを獲得する。
弓道は日本の伝統的な弓術道である。弓道の弓は西洋のものよりも長く、木と竹でできている。
長刀は矛槍の一種である。長刀は、元々、封建時代に武家の女性や僧兵によって使われていたものであるが、現代では、婦女子によって行なわれる武道で使われている。
道場は武道の稽古に用いる大広間である。道場の床は、行われる稽古の種類によって、板張りか畳敷きのいずれかになっている。
相撲は、伝統ある日本式のレスリングである。2人の力士が土俵の上で対戦する。どちらかの力士が、足の裏以外の体のいかなる部分でもそれが地面に付いたり、土俵から押し出された時に負けとなる。
高校野球は高校生の野球で、人気の点では米国の大学のフットボールに匹敵する。全国トーナメント大会が年に2度行われている。この高校野球大会はテレビで放映されており、日本中の熱心な視聴者を引き付けている。
「ゲートボール」はお年寄りに人気のある屋外スポーツである。ゲートボールは、クロッケーを基に作られたスポーツで、5人からなる2つのチームで対戦する。ゲームの内容は、ゴールを目指して木製のボールを木槌で打ち、一巡のゲートをくぐり抜けさせるものである。
はねつきは、バドミントンに似た、伝統的な正月のゲームである。はねつきは、着物を着た女の子たちが、装飾された木製の羽子板を使って遊ぶものである。
たこあげは「たこを揚げること」という意味である。たこあげは日本の子供に人気がある新年の遊びである。
将棋は、2人で行うチェスに似た伝統的ゲームである。チェスと同様、相手の駒を捕ることはできるが、チェスと違い、捕り手は捕った駒を使ってもよい。将棋は、相手の王が動けなくなると終わりとなる。
碁、または囲碁は2人で行う、戦略で勝負が決まるゲームである。相手の石を囲んで捕獲する目的で、黒と白の石を交互に碁盤の上に置いていく。碁盤が石で埋め尽くされたとき、もしくは、領域を獲得できる可能性が尽きた時に、ゲームは終わりとなる。
マージャンは日本で最も人気のある室内ゲームのひとつであり、その地位は米国のポーカー・ゲームに匹敵する。マージャンは中国が起源で、4人で行うゲームである。遊戯者の手は常に13枚の牌からなる。ゲームの目標は、14枚の完成した手を得ることである。
パチンコは、縦型のピンボールマシーンで行う、運と腕を試すゲームである。遊戯者はより多くの鋼鉄の玉を獲得するために、小さな玉をうまく操作して特定の穴に入れようとする。遊技者はあとで、その玉をタバコ、食品、その他の賞品と交換することができる。
カラオケは、録音された音楽の伴奏にあわせ、アンプを通して歌う行為である。バーやパブのほとんどが、非常に高性能なカラオケ設備を置いている。
じゃんけんは、2人以上の遊技者が何かを決定する手段として行う、「グー、チョキ、パー(石、ハサミ、紙)」のゲームである。じゃんけんでは、手の形を変えて、石(こぶし)、ハサミ(伸ばした人差し指と中指)、紙(開いた手)を表現する。石はハサミをこわし、ハサミは紙を切り、紙は石を包む。
●「日本的事象英文説明300選」(本、CD)ご希望の方は下記をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/gu6970/e/1c2c0c0d82c19d1e7ad24fda018d2154
↧
「日本的事象英文説明300選」の日本文データ(その1)
↧